歯科医の先生方へ

■現在の歯科技工士を取り巻く状況について、お話させていただきたいと思います。

 近年、歯科技工はCADCAMによるフレームワークへと移行してきています。
これには、技工士の成り手が減ってきている事や低価格と良品質という、手仕事から見た場合、矛盾する要求への1つの答えとして全世界的な潮流として興ってきています。
今のところは、ジルコニアフレームなど主に自費主体の展開ですが、日本の国民皆保険という特殊事情下に於いても、保険でのCADCAM導入も精度面、価格面から見ても既に条件が整いつつあります。
以前は精度面に於いても、デジタルは緩いと言われていました。しかし現実には手仕事での精度は40~50μに対し、デジタルは15μです。圧倒的に優れています。
また、読み込んだデータに対して設計が行われるため、形成や印象が優れている先生ほど、その精度も高くなることは間違いない事です。
先々、口腔内での光学印象がもっと進んでくれば印象すら必要なくなります。
また、技工士の習熟度や体調などに左右される事なく一定の出来が保証されます。

 材料もWAX、PMMA、ジルコニア、クレイメタルなど…どんどんと有用なものが開発されています。
このような傾向の中で技工士は、仕上げやフェイシングが必要な補綴により時間をかけることが出来るようになります。

 一方、大手ラボでは既に導入しているところが多数ありますが、そのうち8割は元を取れない状態で、安売りや外注を受託しているところが多くあります。そのような状態で機械支援技工を積極的に取り入れていくと、技工士を多く抱えている為に賃金を削減する事や不要な技工士をリストラ名目で解雇するところも出てくるのではないかと危惧しています。現実には簡単に解雇は出来ない為、自費主体での展開にならざるを得ないわけですが、理屈的には、そのような逆転現象を生むリスクも同時に備えてしまっています。
全体の流れとしては保険技工下でも12%PdからPEEKと呼ばれるエンジニアプラスティックを補綴に用いられるのではないかと言われ始めています。
歯科での医療費削減にパラジウムをはずすことで目的を達成しようと言う事のようです。
仮にですがそうなった場合、ミリングマシーンによる削りだしか、射出成型機で作るしかなくなります。
そうなると、CADCAM技工の独壇場となりえます。しかし、その場合資本投下の出来ない個人のラボは、淘汰される事にも成りかねません。

 このようにCADCAM導入には、大手ラボ、個人ラボ供にそれなりの配慮が必要となります。
しかし、この流れは止まらないのではないかと思います。模型レスでの製作も案外ありうるのではないかと考えています。

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